漢方治療エビデンスレポート
日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース
11.
消化管、肝胆膵の疾患
文献
高橋久雄, 丸山勝也. アルコール性肝障害に対する漢方薬の臨床. 医学のあゆみ 1993; 167: 811-4.MOL, MOL-Lib
1. 目的
小柴胡湯と小柴胡湯合茵蔯五苓散のアルコール性肝障害に対する有効性の評価
2. 研究デザイン
ランダム化比較試験 (RCT)
3. セッティング
1総合病院
4. 参加者
入院加療中のアルコール依存症患者49名
5. 介入
Arm 1: 小柴胡湯群、ツムラ小柴胡湯エキス顆粒7.5g/日、24名。各群3ヶ月間投与
Arm 2: 小柴胡湯合茵蔯五苓散群、ツムラ小柴胡湯エキス顆粒、ツムラ茵蔯五苓散エキ
ス顆粒各7.5g/日、25名
6. 主なアウトカム評価項目
自覚症状 (食思不振、嘔気、倦怠感など) 、肝機能成績
7. 主な結果
自覚症状は両群とも改善し有意差はなかった。肝機能検査では、両群とも改善がみら
れ、ALPは茵蔯五苓散合方群のほうが低下していた。
8. 結論
小柴胡湯ならびに小柴胡湯合茵蔯五苓散はアルコール性肝障害の自覚症状と肝機能異
常を改善する。
9. 漢方的考察
なし
10. 論文中の安全性評価
記載なし
11. Abstractorのコメント
複数の漢方薬でのRCTを施行した点で意義のある論文である。ただ、いわゆるコント
ロール群がないこと、入院中のため断酒の効果があること (著者も指摘している) から
臨床的意義は限定されると思われる。
12. Abstractor and date
小暮敏明 2008.8.8, 2010.6.1